地震大国である日本では、家を建てる際に軟弱地盤を強化する地盤調査を行うことが重要。
その際に「軟弱地盤」と判定された地盤は、そのままの状態では不同沈下を起こす可能性が考えられます。
そのため、建物の建築前に地盤調査と必要に応じた改良工事が必要です。
地盤改良工事にはさまざまな方法があり、地盤の状態に合わせた適切な方法が取られます。
従来の地盤改良工法
表層改良工法 (軟弱層が浅い場合) |
柱状改良工法 (軟弱層が中程度の場合) |
鋼管杭工法 (軟弱層が深い場合) |
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軟弱地盤の表面にセメントを混ぜて固める方法 | 軟弱地盤にセメント製の杭を打ち込む方法 | 軟弱地盤に鋼管の杭を打ち込む方法 |
従来、軟弱地盤に対しては上記の地盤改良工事が行われてきました。
しかし、これらの工事には問題点があり、場合によっては住まいや住人に危険をおよぼすこともあるのです。
従来工法の問題点
環境問題のおそれがある
セメントを使用した地盤改良工事の場合、数年後に発がん性物質として知られる「六価クロム」が発生する可能性があります。
「六価クロム」の発生メカニズムは未だ解明されていません。
不同沈下を防ぎきれない
地震によって地盤が液状になる「液状化」が発生した場合、たとえ地盤改良をしていても不同沈下が起きてしまいます。
また、腐葉土などの土地にコンクリートを使った地盤改良は、コンクリートが固まらず、結果として不同沈下を引き起こす可能性があります。
資産価値が下がる
六価クロムが発生した場合や、鉄製の杭などを地盤に埋めた場合は、土地評価からそれらの撤去費用が差し引かれるため、資産価値が下がってしまいます。